金髪王子2

俺はまっすぐ、栞の元へ歩いていく。


あ、気がついた。


栞が俺を見つけて、目を丸くしている。


そんな顔もかわいい。


ここに来ることは内緒だったから、驚いているんだろう。


にっこり微笑んで、俺は栞の正面に立った。


隣にいた村上先輩が、嫌そうに俺を見ているのがわかる。


フン、栞の隣は俺の場所なんだよ!


俺はわざと、村上先輩の顔をかすめるように、背後に隠していた花束を前に持ってきた。

< 100 / 519 >

この作品をシェア

pagetop