部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
二人の姿を見た直子は一瞬怯えた様な表情を見せたが、この学校の生徒で有る事に気がつくと、怯えている様な、困った様な酷く複雑な表情をして見せた。

「――ど、どうしたの、二人とも…」

直子は無理矢理が尾を作ると、二人に向かったそう尋ねた。

「いえね、こいつの探偵ごっこに付き合わされて、休みだって言うのに呼び出されたんですよ」

琢磨は、嫌みたっぷりに亜矢子に向かってそう言った。

「なによ、探偵ごっこって、これはリアル…現実の話しなのよ」

亜矢子が琢磨に食ってかかるが彼は全く相手にしない。そして直子の様子に、ふと疑問を感じて逆に彼女に尋ねて見た。

「ところで、先生は何か、理事長室に用事でも?」

「ちょっとね……あまり、遅くならない様にね……」

直子は亜切れの悪い言葉を残して、足早にその場から立ち去った。
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