[短編] 空への手紙
「今日は仕事が速く終わったんです。帰ろうと思ったら、桜さんと空がいて。」
照れくさそうに頭をかく直輝さん。
「そうなんですか。じゃあ、一緒に散歩しながら帰りまょうか。」
私も笑顔で答えた。
背の高い直輝さんは、私のハンドバックをさりげなく取り上げ、歩き始めた。
「桜、もう終わっちゃいますね。」
私は直輝さんを見上げて言ってみた。
「そうでした。桜と言えば。桜さんに見せたいものがあるんです!」
ダジャレじゃないですよ、と自慢げに言う直輝さん。
「本当ですか。」
私も笑顔で答えた。