年下の罠-年下の悪魔-
願い



初めての彼氏は中学2年の時。

友達のお兄さんの友達で「元カノとヨリを戻したい」からと、2ヶ月で終わった。

その後、高校生になり2つ年上の先輩とも付き合ったけれどピンと来なくて3ヶ月で自然消滅。

社会人になり出来た彼氏は4つ年上のお兄さんタイプの優しい男性で

私がワガママ言い過ぎたせいで2年越しの末に振られた。




もう恋なんて懲り懲り。
もう恋なんてしないと思ってた。





涼君に会うまでは――――――…。












「だからー、何で洗車如きでそんなに時間がかかってるの?」



涼君と付き合い出し、1年が過ぎようとしたある夏の日曜日の夜。

私は珍しく丸1日のお休みをもらった。

週末の飲食店で1日お休みをもらうのなんて凄い事なんだから。

だから、涼君と晩御飯でもしようと電話したのに…

『仕方ねぇじゃん。車体についた水滴を1粒1粒取らなきゃなんねぇんだから』


電話の向こうから聞こえる息継ぎ混じりの涼君の声。


朝の09時から車庫に閉じ籠って洗車してるらしい。

…只今の時刻、19:00。

どこをどう洗ってるんだろう。



私と付き合い始めてから2ヶ月後の秋、涼君は念願だった車を手に入れた。

涼君の希望通りの車体を、新車で一括で購入。


ずっと欲しがってた車だし、その為に頑張って貯金してたのも知ってるし、嬉しくて大事にしたい気持ちはわかるけど

いつまでも綺麗にしておきたい気持ちはわかるけど…




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