天使の羽根

 智子が運んできたうどんが食卓に並ぶ。立ち上る湯気に混ざって懐かしい匂いが鼻を擽った。

「ささ、遠慮しないで、沢山あるから」

 高生も自分の分まで差し出す始末だ。

 流石に穂高は両手を左右に振り断ったが「沢山ある」と智子にも勧められ、穂高の目の前には二つのうどんが並べられた。


< 134 / 562 >

この作品をシェア

pagetop