天使の羽根

――プレゼントも渡せないまま、こんな事になって……この先、絶対に帰れるのかよ。


 心の中で引っかかっている事はプレゼントだった。

 鞄に忍ばせたまま置いてきた大切なプレゼントだ。

 渡す事もなく誰かに拾われてやしないかと気が気ではない。

 同時に、自分の気持ちも伝えられぬままなのだ。

 どうにも抑えきれない苛立ちが募っていくようだった。



< 278 / 562 >

この作品をシェア

pagetop