天使の羽根

Act.2


 同じ高校にも通う二人は、校内でも公認の中でクラスも同じだった。

 教室に入るなり、穂高は平べったい鞄を机に放り出すと、すぐさま出て行くのが日課だ。

「ちょっと穂高、またサボるの?」

「関係ねぇ~」

「うそ、ヤダ。またノート写すの面倒くさいよ」

「別に頼んでないじゃん、お前が勝手にやってるだけだろ」

「そうだけど、あんたを心配してやってるんだよ」

「心配してもらう事なんか何もねぇよ」

 穂高はつんとした表情でそう言いながら、さっさと教室を後にする。
< 8 / 562 >

この作品をシェア

pagetop