天使の羽根

「もう、穂高のヤツ……せめて就職か進学か決めろっちゅうの」

 溜息を落とすあずみに、クラスの女子が近付き、その尖った神経を宥めるように肩を叩いた。

「おはよう、あずみ」

「あ、おはよう亜紀」

「色々と大変そうだね」

「まぁね」

 と言って、あずみは肩を竦めて見せた。
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