先生・・・・ありがとっ。
12月22日。
夜勤明けに実家に帰ろうとしていた裕紫は病院のロビーに立っていた神田裕次郎に呼び止められた。
「裕紫、お前に頼みたい患者がいる。ついて来い・・・」
それだけいって病院の奥へと歩き出した。
親父についていくと個室が見えた。
ネームプレートには、鈴島瑞貴と書かれてあった。
左腕には点滴。
右腕には手のひらからひじまで包帯が巻いてあった。
「彼女の右腕はアレですか?・・・」
「・・・・あぁ。・・・」
彼らの言うアレとは自傷行為によってできた傷の事。