甘く、優しく、ときには苦く

わたしは、ゆっくりゆっくり廊下を歩いていた。


・・・あ!!

藤岡、先生・・・。



うそ・・・・。
こんなに簡単に会えるなんて。

会いたい、会いたい
と強く願ったら、会えるものなのかな。



彼は、回診の途中のようだ。

なんだか、藤岡先生っていつも回診してるよね。


4人部屋の前で部屋の中の人と話している様子。

なによ・・・
わたしのことは避けてるくせに、
普段は全然普通じゃない。

と皮肉なことを思ってしまう。


だれと、話してるんだろう?

と思っていたら、部屋からでてきたのは若い看護士さん。
ナース服がすごく似合っていて華奢ではかなげな可愛らしい人。

あの人は・・・確か、石崎さん。


「じゃあ、そういうことでよろしくお願いします。」

「はい。任せてください!」

微笑みあう二人に、少なからず嫉妬した。



・・・内科側なんて、通るんじゃなかった。


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