アダルトチルドレン
行く前から緊張はしていたが、事前に自分の状態を話してから行ったので軽い気持ちで向かった…。

着いた瞬間満席で、それだけで足がすくみはじめた…。

「カットは途中でやめれても、カラーは塗りはじめたら帰れないよな…」

そんな不安があったせいかますます気分が悪くなっていった…。
弟に何度も
「やばいかも」
といいながら席に通されカラー材が用意されていく…。

足のすくみがとまらない…
あの発作の直前に起きる血の気がグアングアン引く感じが始まった…

「ここで、なったらどうしよう…。」

冷や汗が止まらなかった。
持っていた薬を足して飲み、それでもウズウズが止まらず、美容院のお姉さんに、
「緊張してくると発作がでそうで怖いんです…」

と先にいっといた。

「体調悪くなったらすぐにいってください」
そう言われたものの、
「そういうわけにはいかないでしょ…」

という葛藤の中、薬を飲んだ安心感のせいかさっきよりも少し気持ちが落ち着いてきた…。


本当に発作までにならなくてよかった…

お姉さんに、
「ブローもしないでいいから」
と伝え、とりあえずその場からすぐ出たかった。

どうにか、こうにか乗り越え髪は染まったものの、車に乗り込んだ瞬間、
「美容院さえまともにいけないのか…」

そう思い、また一つできない事が増えた気がして辛かった…。


「まだあたしは美容院にはいけないんだ…」

そう確信した。

そうやって、毎日できない事が増えていく自分が情けないのと、辛いのとで頭がおかしくなりそうになりながらも、旅行当日を向かえた。

車で空港まで向かってる間は何ともなかったのに、空港についた瞬間、人の多さからかまた足がすくみはじめた。

医者に旅行前に強力な薬を貰っていたので、飲もうかとも思ったが、薬がないと生きていけない自分も嫌だったので飲まなかった…。

空港のロビーに座り込み、母親と弟に両腕抱えてもらいながら千鳥足で荷物を預けにいった。
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