それぞれの一週間【完】


と。
心配そうに眉尻を下げ、私の顔を下から覗き込むようにして見る波瑠。勿論、顔だけじゃなくて言葉も゙私を゙心配してのもの。


…ほんと、こういうの腹立つ。



「大丈夫。」

「大丈夫って顔じゃないじゃん。」



なら聞くなよなんて思うのは、今は大目に見て欲しい。だって今、悔しいしキャラじゃないけど泣きそうだ。


波瑠の為に、こんなバカの為に泣くなんて…。私が馬鹿みたいじゃないか。有り得ない。



――ひやり。

瞬間、冷たい低体温が私の頬に触れる。ビクッと上がった肩。強張った体のままそれを目で辿れば、当たり前だが波瑠の手だ。



私の頬に触れるその指が濡れているのは、自身のアイス珈琲のグラスを持っていたからだろう。

< 105 / 151 >

この作品をシェア

pagetop