boyshな女の子




「輝よー、お前もう少し気を使えって」


「いや、忘れてた……ごめんな?」




香奈ちゃんに謝る輝を呆れながら見る。



香奈ちゃんはい、いえ…というのが精一杯のようだ。





輝が少し離れて、香奈ちゃんの強張りが溶けたタイミングを見てそういえば、と口を開く。





「香奈ちゃん、今日も一緒に帰れるか?」


「あっ、はい!    大丈夫です!!!」




勢いよく返事した香奈ちゃんに少し笑いが零れる。




何というか、わんこが尻尾振って待ってるみたいな……そんな感じのイメージ図が頭の中に浮かぶ。




そんな風に考えていると、チャイムがなった。




「じゃあ、クラスで待ってるから。    後でな」


「は~い!」




元気に教室から出て行った香奈ちゃんを見送る。


誰かが「やっぱり可愛いな」なんて言っているのが聞こえたが気付かなかった振りをした。





< 377 / 470 >

この作品をシェア

pagetop