先輩
はじめまして
先輩は知らなかったかもしれない
だけどあの時私たち実は出会ってたんですよ
これって奇跡
でもあの時私には大切な人がいた
まさか今こんなにも先輩が好きなんて・・・・。

*   *   *   *   *

私は市内のある中学校に入学し、何故か陸上部に入部した
走るのは嫌いだし、運動神経もいいって訳ではなかった
だけど、見学に行った時ある先輩に目が釘付けになった。
2歳上の先輩¨彰浩先輩¨(あきひろ先輩)
爽やかで部員のみんなからも人気者だった

私はそんな陸上部の先輩たちに憧れて入った

最初は緊張していたものの、段々慣れてきて
先輩たちともよく話す仲となっていた
そんな中私たち1年生のデビュー戦となる大会に出ることになった


大会の場所取りのため私は女子の先輩2人
彰浩先輩の4人で競技場にいた

先輩たち3人が場所取りに行くため先に行ってしまい
私は1人トボトボそのあとを追っていた
ボズッっと何かを蹴ってしまった
よく見ると彰浩先輩のエナメル
ヤバイと思い手で汚れを払いエナメルを抱えて彰浩先輩の元へ


「彰浩先輩!エナメル置いたままでしたよ。」

「あっ!忘れてた。 ありがとう」

ドキッこの時の先輩の笑顔で恋に落ちた
元から気になっていた
完璧に恋に落ちた瞬間だった


自分の競技の時間になり
初めての大会
人の多さにびっくりしながら競技場の中に入った
私のやっていた競技は走り幅跳び
1本目ファールをしてしまい記録なし
2本目踏み切りがあって記録3m00cm
練習の時よりも飛べてないことに自身をなくし
ラスト1本が来るのを待っていた

トントン
誰かが私の肩を叩く
振り向く先には
彰浩先輩

「ラスト1本頑張って。練習で飛べてるんだから大丈夫」

「何でここにいるんですか?」

「朝のお礼だよ。ここで見てるから思いっきり跳んでおいで」

彰浩先輩の心強い言葉で勇気が出た

3本目これで順位が決まる
記録は3m87cm

真っ先に彰浩先輩の元へ走り

「やりましたよ!自己新が出ました!!!」

と喜ぶと

「さすが、俺の後輩だね」
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