月夜の天使
暗い部室の隅。

かすかに動く人影。

加奈はその2つの人影に視線がくぎづけになる。

呼吸ができない。

足が宙に浮いてるみたいだ。

何も・・・考えられない!

薄暗い部室の隅。

かすかに動く人影。

影は確かに私のよく知る人物だ。

ザッ!

加奈は部室の外へ走り出した。

「加奈!」

十夜が加奈を追いかける。

なに・・・?

私、今・・なにを見たの?

わからない。

わからない!!

「加奈!」

十夜が加奈の腕をつかんで引き寄せた。

「加奈・・・」

加奈は泣いている。

今見たものがなんなのかわからなくて泣いている。

「十夜・・・今の、久世さんと、瑞樹、よね?」

「・・・」

「なんで?なんで、久世さんと瑞樹が・・・キスしてるの?」

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