月夜の天使
美術館の出口に行くと、受付の女性が声をかけてきた。

「お二人にミズキ様の代理人の方がお会いしたいと申しております」

「ミズキの代理人!?」

トオヤとカナンは戸惑いながらも、その部屋に案内される。

部屋を開けると・・・ミズキがいた・・・。

いや、ミズキに瓜二つのその人。

「あの時見かけた人!?」

カナンはカオリの事故の時に夢中で追った後ろ姿を思い出す。

天使のような笑顔、サラサラに流れる髪、透き通った肌、全てがミズキそのものだ。

ただ、その瞳の奥に、時折、妖しい影を落とすこと以外は・・・。

「ミズキ・・・じゃ、ないな。お前は誰だ?」
トオヤが警戒心を露にする。

「始めまして、というべきかな?君たちにとってはね。でも俺はずっと君たちを見てきたよ」

そう言いながら、ミズキに瓜二つのその人は立ち上がる。

「俺は、シオン=カーク=アレス。カインの一族だよ。そして、ミズキの双子の弟だ」

ミズキの双子の弟!?

それじゃ、・・・それじゃ、ミズキは・・・。

「ミズキ・・・本名はカイン=リューク=アレス。カインの一族の長だ」

ミズキがカイン!!!

「始めまして。カナン=ユーナ=アルテミス。そして、守護天使(ガード)の、トーヤ=リュウ=ナイトくん・・・」

シオンの瞳の妖しくも美しい影の輪郭がはっきりと浮き出し、光となってカナンの心を貫いた・・・。



< 132 / 201 >

この作品をシェア

pagetop