パシれメロス【短編】
「メロス、貴様何を考えている」

知らないウチに僕はヤキソバパンをガン見していたらしい。

佐藤君の声には隠しようのない警戒心が感じられた。

「佐藤よ……大人しくそのヤキソバパンを僕によこせ」

僕はユラリとした感じで一歩佐藤に向けて踏み出す。

不敵に嘲笑う佐藤。

「いやだと言ったらどうする?」

さりげなく構えながら目だけは油断なく睨んでくる。

僕も構えながら睨み返す。

飢えた二匹の獣に言葉はいらなかった。

だがあえて僕は叫ぶ。

「知れた事よ!力ずくで奪い取るまでだ!」

僕は雄叫びをあげてヤキソバパンの前に立ち塞がる敵に躍りかかった。

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