キミを想う。
「あー…疲れたー…」
資料室を出て教室へ向かいながら、んーー!と腕をあげ背中を伸ばす瀬野くんに、「手伝ってくれてありがとう」と伝える。
「ゆずも大変だな。毎日やってんの?」
「う、ううん。先生に頼まれた時だけ」
「そうなんだ。中谷もゆずなら断らないって分かってて頼んでんだろうな」
そう言って呆れた顔をした。
「いつも一人でやってんの?」
「あ、えっと…」
瀬野くんに返事をしようとした時だった。
「終わったの?」
正面から聞こえた声の方に目を向けると、ユキくんが教室の前で待っていた。