キミを想う。
「…どうした?」
「えっ?」
電車に揺られボーっとしていると、心配そうにユキくんが顔を覗いてきた。
「疲れた?」
「ううん!楽しかったです!」
「…そう」
今日はユキくんが迎えに来てくれた後、そのまま電車に乗り、映画館に行った。
ユキくんがお姉さんから映画のペアチケット鑑賞券を貰ったが、一緒に行く人がいなかったらしく、私が落ち込んでいると思って、気分転換に誘ってくれたらしい。
映画なら会話がなくても間が持つし良かった…と思っていたが、カップルシートしか空いていなく、「ま、いいか」とユキくんは気にせず映画を見ていた。
私は変に距離感に意識がいってしまい、全然映画に集中出来なかった。
しかも途中でユキくん寝ちゃうし、肩に寄りかかってくるし、緊張し過ぎて疲れてしまった。