キミを想う。

「真田くん」




それからあっという間に夏休みは終わり、新学期を迎えた。


まだ外はぎんぎんに暑くて、まだ夏休みでもいいのではないかと思ってしまう。



花火大会以来、瀬野くん達とは会うこともなかったが、菜々ちゃんとはプールに行ったりショッピングに行ったりと何度か遊んだ。



でもユキくんの発言のことは相談出来なかった。



花火大会の瀬野くんと加穂さんのことも、菜々ちゃんには黙ったまま…。


どんどん隠し事が増えていく。


少しずつ罪悪感が募っていく。




学校に着いて下駄箱で上履きに履き替え、教室に向かう。



「おはよー」


「宿題終わってねー」


「めっちゃ焼けたんだけど!」


「彼氏と花火大会行った」


楽しそうな声や憂鬱な声、色々な会話が飛び交っていて、学校が始まったんだなと実感が湧いてくる。



ふと、誰かの視線を感じ俯いていた顔を上げると、廊下ですれ違う女子達がこっちを見て何かヒソヒソと話している気がした。





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