キミを想う。



「…それは、どういう…」


それはどういう意味で言ってるの?



「少しは俺のこと意識しろってこと」


私の理解してない様子にムスッと拗ねたような表情を浮かべると、「……悪ぃ」と首の後ろに手をやり俯いた。



「……スマホ貸せ」


「えっ!?あ、はい」


ユキくんに困惑しつつも言われた通りスマホを渡す。


ユキくんはスマホを受け取ると黙ったまま何か操作をして返してきた。



「俺の連絡先いれたから」


「あ、はい!」


急になんでだろう…と思いながら、戻ってきたスマホを握りしめる。



「……帰る」


「あっ、はい!」


私の反応にユキくんは「はぁー…」と溜め息を吐きながら、「じゃっ…」と一言言って駅の方まで来た道を戻って行った。



えっ!?


どういうこと!?


小さくなっていくユキくんの背中を見ながら、状況が上手く飲み込めずに頭が混乱している。


瀬野くんへの気持ち、もしかして皆にバレバレなのかな…。


ユキくんはさっきの言葉はどういうつもりで言ったんだろう…。


昨日の瀬野くんへの落ち込みだけでどうしたらいいか分からないのに、ユキくんまで混乱するようなこと言うから、もう頭がいっぱいいっぱいで痛くなってきた…。




< 174 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop