言霊(詩集)
不完全な願いに少年は…―




『不完全な願いに少年は…―』


歩いて歩いて闇を行く。
……歩いているかどうかは
分からないけれど。
そしてふと思い出したように
言葉を紡ぐ。
「ここは闇から出来てたんだ…」……それに感心してる僕か
どうかは分からないけれど。
「これは僕の不完全な願いの因果……いいや、あの時不完全に叶った僕の願いの因果…―」


―……願い?
―ソウ。貴方の願い叶えましょう。―……ふ-ん。だったら…………世界を消してよ。
―貴方の願いなら、喜んで。


「…そういえばあの時のあの声は誰だったのかな。」
……それにホントに疑問を
感じてる僕かどうかは
分からないけれど。

そうして僕が願いを
言った瞬間に
世界は端から消えて……
闇に染められた。
「…僕は“全部”消してほしかったのに………」
…そう…“ボク”は消えてない。おかげで独り彷徨うんだ。
「僕が残っても仕方ない。」

退屈なボクは足で闇を
掻き乱す。

「次こそはボクの願い……叶えてよ。ちゃんと闇に変えてよ?………ねぇ?神サマ…―」



―不完全ナ願イニ少年ハ神ト契約ヲ―

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