愛して。【完】
校門前、車が停車する。
それに群がる女達。
この学校にこんなに女いたんだ…、と少々呆れてしまう。
多分、学校に通う女の殆ど…いや、全員がいるだろう。
あたしでさえ、立場は違えどここにいるんだから。
きけば、この車はメルセデス・ベンツのえーっと…GLクラス?(だったかな…)らしい。
外っ面が黒なら、内装も黒で、3列7人乗り。
助手席に颯、2列目の右にタカ、左に大河、3列目の右に蓮、左に隼。
そして、蓮と隼に挟まれてるのがあたし…
あ、因みに運転手の厳つい兄ちゃんは和也(かずや)さんと言うらしい。
ま、要するにこういうこと…
│和│ │颯│
│大│ │鷹│
│隼│真│蓮│
…なわけですね。
何で隼と蓮に囲まれているのかがよくわからないけど…
そんな定置の中、最初に車から降りたのは颯。
停車向きは右が校舎側で、颯は出てすぐに校門のはず。
颯が車から降りた瞬間、女達からは甲高い歓声…いや、悲鳴…というより奇声……
兎に角…うるっさい!!