愛して。【完】
まぁ、否定はしない。
別に彼女がいたことが無いわけでもないし、そういう経験が無いわけでもない。
ただ、なんか…恥ずかしくない?!
そんな彼女でもない子とそういう事する趣味は無いし、俺の場合、誘われてテンパって呆れたようにそう言われて終わりだ。
まぁ、真梨の裸にバスタオル姿はヤバかったかな。
鼻血まで出るとは思わなかったけど。
あれは流石に、ね。
…って、こんなだからむっつりとか言われるんだよ。
あーもう!!
目の前に姿を現し始めた病院を見て、後ろを振り返る。
真梨は相変わらず蓮の腕の中で眠っている。
「蓮、もう着くから真梨起こせば?」
「あぁ」
そう言うと、真梨の背中を軽くたたき始める。
どうやら起こしているらしい。
「真梨、真梨。おい起きろ」
「んぅ~~…もぉちょっと…」
寝起きだからか舌足らずで言葉を紡ぎながら、蓮にすり寄る。
…猫みたいに見えるのは俺だけだろうか。