愛して。【完】
水川真梨から、そんなことを言い出すとは思わなかった。
「ちょ、水川真梨、正気?」
「あー、またフルネームで呼んだ~」
フフッと笑って茶化すように言う。
「ほら、呼んでみてよ。“真梨”って」
「えと…ま、真梨?」
「そうそう!じゃ、これからフルネームで呼んだら罰ゲームね」
「え」
固まる俺を綺麗に無視して、「罰ゲーム何にしよっかな」なんて言いながら真梨は部屋を出るのか扉の方へ歩いていく。
俺はそれを見詰めているしか無くて。
「虎太郎とは、いい友達になれそうな気がする」
振り返ってそう言った真梨は、誰よりも綺麗に笑っていた。
【虎太郎side end】