愛して。【完】
店を出ると、来た時と同じ黒の高級車に乗って倉庫に向かう。
でも、車の中で考えるのは、この後の紹介のこと。
獅龍の面子は、そんなにいい視線であたしを見ない。
“好奇”
“嫉妬”
“憎悪”
の視線は無いけど、
“軽蔑”
の視線をあたしに向ける。
どう考えても、あたしをよく思ってないのは目に見えてるし、あたしも好きでそんなところにいたいとも思わない。
でも、アパートも引き払っちゃったし、住む場所が無いのも事実で。
だからといって、適当な男の家に点々とするのは嫌だしなぁ。
そんなんで“付き合ってる”とか勘違いされたら溜まったもんじゃない。
それに、
“姫”=“総長の女”
らしいけど、あたしは“姫”になる気も“総長の女”になる気も無い。
名ばかりの“姫”であって、形だけの“総長の女”。
というか、思ったんだけど……あたしって、男と付き合ったことないんだよね…
“カレシ”と言うものに興味もなかったし、あたしは遊べれば何でもよかったっていうか…
あ、不良とホテル街のホテル以外は嫌だけど。