大好きなキミへ
ごまかしまいる
「あ、拓実ー。」

学校。

いつものグループで昼休みを過ごしていると、愛梨が通りかかった三浦くんに声をかけた。

「昨日、どうしたの?」

あ。そっか。

昨日、三浦くんはあたしを家まで送ってくれた。

しかも迷ってたって言ってたし。

だから、三浦くん大好きな愛梨は、不安になったんだろう。

「ちょっと、母さんに呼び出されて。ゴメンな。」

「うん。全然いいよ。」

「カラオケついたとたん、どっか走り出すんだもん、ビックリしちゃった。」

え?

三浦くんは昨日、カラオケに行く途中にはぐれて迷ったって。

何で?

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