レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
ケイくんの言葉に、ワタルが再びこっちにぐっと身を乗り出してきた。
「凄いですよね、しょーごさん! そんな中でギターやダンスもこなして、ドラマやバラエティーでも普通の役者さん顔負けの活躍だし!」
「やめろ。別に凄くない。仕事をしてるだけだ」
顔をしかめてそう答えるしょーごさんの、端正な横顔を見つめた。
あたしより1つ上なだけ。
まだ、高校生なのに。
…本当に、凄い人なんだ。
口は悪いけど。
やっぱり、凄い。
しょーごさんに近づいて、腕をぐっと伸ばした。
しょーごさんが少し面食らったように、あたしの腕を掴む。
「なんだよ」
「に、荷物返してください!」
「めんどくさい奴だな」
「ふぎゃっ」
頬をつねられて、失敗する。
仕方なく自分の座っていた位置まで戻ろうとしたとき、
「…ひあっ?」
――もう一度腕を掴まれたと同時に、耳に奇妙な感触。