君がいたから

「好き、だよ」

それは、俺に向かって言われた愛の言葉ではなく
他人に向かって言われた絶望の言葉

馬鹿だ･･･
聞かなければよかった
そうすれば、知らないフリだってできたのに

「ごめん、今日はもう帰る」
「えっ!?ちょ･･･青くん!?」

後ろから上総の声が聞こえたけど
俺はその声に応えず
逃げるように教室を後にした



「おい！青」

後ろからいきなり肩を掴まれる
動いていた体を強制的に止められた
ゆっくりと後ろを振り向けば、其処には･･･

「り･･･ん･･･」

林は俺の顔を見ると
少し驚いたような顔をした

一体、俺は今どんな顔をしてるんだろう･･･

「どうした？
　話し聞いてやるから、教室行こうぜ」
「あ、ああ･･･」

林に手を引かれて俺は教室に入った
教室にはもう、俺と林しか残っていなくて
ここでなら、今思ってることを全て吐き出してしまいそうだ