君がいたから
林は二つ椅子を持ってきて
その一つに俺を座らせ
残ったもう一つの椅子に腰を下ろした

「お前が言いたかったら言え
 言いたくなかったら、言わなくていい」

林はそう俺に言った

話すか、話さないか
なんて、そんなの決まってる

「俺・・・上総が、好きなんだ」
「うん」
「でも、上総は、三河先輩って人のことが好きで
 そんな、二人が今日一緒に居て
 上総、見たことない顔してて」
「ショックだった・・・か?」
「・・・ああ」

俺が総言葉を返すと
林は立ち上がり
なにやら鞄の中を探って
一冊のノートを取り出した

・・・って『愛の閻魔帳3-1専用!?」

まぁ、そのノートを何ページか捲り
あるページで手を止める

そのノートを机に置き
もう一冊のノートを取り出す
今度は、2-3専用だ

このノートもまた
あるページで手を止めた

机に置いていたノートを持ち
2-3専用の方を机の上に置く
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