君がいたから

・・・どうする?

音楽室のドアの前
俺はそこにひとり立っていた
昨日、あんな態度をとってしまったから
少し入り辛い・・・

「あ、青くんっ」

後ろから声がした
昨日あったばかりの人物

そう、上総の好きな人・・・

「み、かわ・・・先輩」

ゆっくりと後ろを振り返る
いまは、会いたくなかったのにな・・・

「どうした?かずなら今日はちょっと遅れるぞ?」
「え・・・?」
「まぁ、丁度いい
 お前と話がしたかったんだ」
「俺と、ですか?」

俺がそう聞き返すと
先輩は笑って顔を縦に振った

「時間がないならいいけど・・・」
「時間は、あります」
「じゃあ、なかにはいろっか」

先輩の言葉に俺は首を縦に振った
俺のそんな行動を見て
先輩は部屋の中に入っていく
その後ろについて、俺も中に入った

「話って・・・なんですか?」
「まぁ、あせるなって」

そう笑いながら
何故か先輩はピアノを弾く用意をしていた
< 18 / 72 >

この作品をシェア

pagetop