君がいたから

それと同時に上総も口を開き、歌を歌った

『「愛してる」 その言葉で私は強くなれた
 貴方さえ居ればほかに何もいらないと
 本気でそう思えるほどに

 綺麗事だと笑われてもかまわない
 他のどんな言葉より
 貴方のその言葉は私を支えた』

父さん・・・母さん・・・
あの時、何で俺だけを助けた?

『季節が変わって 色褪せていっても
 この想いは今も胸の中で生きてるの

 「愛してる」ってもう一度言ってよ
 そしたら泣いたりなんてしないから

 私にくじけない勇気をちょうだい』

なんで
どうして・・・
俺だけを生き残らせたんだ?
なんで、俺を独りにした?

俺はっ
一緒に死にたかったのにッ

独りはは・・・いや、だっ

「・・・・・っ」

"ガタン"と音を立てて
青はゆかに崩れ落ちる

「・・・ぇ?」

上総は驚いた表情で
すぐに青の傍に駆け寄る
それと同時に三河も傍に寄った

「青くん!?大丈夫!?」


遠のく意識の中
遠くから、上総たちの声が聞こえた
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