君がいたから

小さい頃から大好きで
ずっとずっと好きだった

でも、今日で終わりにするね


「ありがと」

がんばれ
って言ってくれた青くんに
笑顔で言葉を返して廊下を走る

昨日の夜
色々考えて、出た結果がこれだった

先輩の部屋から
知らない女性の声が聞こえて
会話の内容から、それが彼女だと

悟った
悟ってしまった

泣きそうだったけど
泣かなかった
泣けなかった

まだ、希望はある
もしかしたら彼女じゃなくて
ただの女友達かもしれない

たとえ、
本当に彼女だったとしても
自分の気持ちを伝えないまま
終わるなんて嫌だ


そうこう考えながらいつもの音楽室へ
ここは二人の思い出の場所
絶対いるはず

「先輩!」
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