君がいたから









「・・・・ごめん」

うん、
本当はわかってた
もう可能性がないくらい
わかってたから
そんな顔しないで

そんなに
泣きそうな顔にならないで

貴方は悪くないの

「かずのこと、そんな風には見れない」
「うん、わかってたよ」
「ごめんな」
「うん、ありがと」

そう言えたのは
青くんの優しさがあったから
励まして
応援してくれる人がいたから

「じゃあね、常陸」

そう言って、ドアを開けた

「かずっ!!!」

教室を出ようとした瞬間
先輩に呼び止めれらた
振り向かず、その場で立ち止まる

「俺、友達の中では
 かずが一番だから!!!」

先輩の言葉に思わず涙が出そうになった
だけど、必死に堪えて
笑顔を作って一言

「有難う御座います。先輩」
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