君がいたから

「・・・ぅ」
「あ、目覚めた?」

目を開けると
意識を失う前意見た人物の姿が
すぐ其処にあった

「智華さん」

上半身だけ起こして
彼女の名を呼ぶ

「久しぶりだね」

彼女は笑って言葉を紡いだ

柊智華さん

俺が事故の後入院している時にお世話になった人


「まだ、発作起きるんだね」
「はい」

白い部屋
覚えてる。ココは俺が入院していた部屋

「今日は、どうしたの?
 まさか診察?・・・・なわかないよね」
「友人の見舞いです」

智華さんの問いに淡々と答える

「ピアノ、弾いたんだね」


その言葉に静かに首を縦に振る

それを見て彼女は微笑み
そして立ち上がり窓を開けた
風が部屋の中に入ってくる
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