君がいたから
久しぶりに見た
死んだ両親の夢
二人とも・・・事故で死んでしまった
俺の所為で
朝日が窓を通して部屋の中を照らした
俺以外誰もいない部屋の中
たった一人で自分は生活していた
シンプルな部屋、必要なものしか置いていない
生活用品と・・・両親の写真だけ
他のものは全部捨ててしまった
辛いことを思い出すだけだから
「落ち込んでも・・・仕方ない、か・・・」
"パンッ"と音を立てて自分の頬叩く
『大丈夫、大丈夫』
心の中で何度も自分に言う
「学校行かなきゃ・・・」
朝食をとって
制服に着替えて家を出てみれば・・・
「おはよう御座います」
家の前に居たのは
何故か敬礼をしている
昨日あった女性
そう、上総が居た
「・・・・」
驚きのあまりに固まる
二人の間に冷たい風が吹いた
「「・・・」」
しばらく沈黙が二人を包む
一秒、二秒・・・と時間がたっていった