君がいたから

―――・・・はやく学校に行かないと・・・

頭の中でそんなことを考えたが
未だに沈黙は続く
自分からこの沈黙を破る勇気は無かった




「ちょっと!何かリアクションしてください!!私痛い子じゃないですかっ」

先に沈黙を破ったのは上総だった

「え、あ。ごめん」
「早く行きましょう!!遅刻してしまいます」
「あ、ああ・・・」

言われるがままに上総についていく

気が付けば朝の夢のことは忘れていて
もう怖いことなんて無かった

ずっと、あるモノだって思ってたから
いつまでもあると思ってたから
現実が受けられないから
いつまでもあんな夢を見るんだろうか

昨日あったばかりなのに
何故か酷く彼女の傍にいると安心できる自分が居た

この気持ちは何だろう
できれば、ずっと傍に、近くに居てほしい


それは、叶うことの無い刹那の願い
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