毎日がカレー曜日
「解析が完成したら……あいつは喜びと興奮で、絶対何か食べられる状態じゃなくなるって」

 兄の私が保証する~。

 だから~。

 だから──孝輔の料理をくれ、と。

 あんまりしつこくせがまれるので、サヤは発想の転換をすることにした。

 避難させていた孝輔の料理をイケニエに差し出すと、直樹は即座に奪い取り、すばやく自分の口に押し込み始めた。

「ん~、うまいうまい」

 満面の笑み。

 そんな二人のやりとりにも、まったく反応もせずに、孝輔はキーボードを叩いている。

 壊そうとしてるんじゃないかと思うほど、強く叩きつけられる指。

「大丈夫」

 弟の料理をむさぼりながら、直樹はニヤリと笑う。

「あいつは天才だ…今日中に見つけるさ」

 え?

 初めて、彼が孝輔を褒めた気がした。

 弟の耳には、届いていないだろうそれ。

「まあ、私はその天才を、最大限に酷使できる『神』、だがな!」

 ハハハハハ。

 塚原直樹──彼は、安易に神をかたる、恐れ知らずのリアリスト。
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