夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
同級生に“おじさん”を連呼される事に、若干の抵抗を覚えつつ、

「そう言われると…、複雑だな…。」

と、答えながら、手持ちぶたさを感じて、またそばの草を抜いた。
青草の力強く生きていた証の香りが指に残った。

「そんな言葉が出るって事は、まだ辞める決心が固まっていない証拠だね。」
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