夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「優花の母です。いつも娘がお世話になっております。」

彼女の母親に挨拶をされて、慌てて立ち上がり、

「や、矢口です。こちらこそ、娘さんには助けて頂いております。」

と、頭を下げた。

クスッと、彼女の吹き出した声が聞こえ、睨みつけた。

「彼氏じゃ…なかったのかよ。」

「私は一言も彼氏とは。矢口さんが勝手に言ったのを否定しなかっただけ。」

う〜ん、確かにそうだけど、なんか悔しい。

そんなやり取りをしていると…。
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