声がないのなら
【ユウリEye 】
[ユウリ]


俺の瞳には彼女が映っていた。


胸までかかる黒髪に
触れたら壊れそうな小さなからだ。


ちゃんと食ってんのか?
…なんて事を思っていた。




「…大、丈夫?」

「…」


彼女は哀しそうな目をして
うつむいた。


その時初めて見た。







無数のアザと擦り傷を…。





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