時空をこえて、愛。
簡単な朝ご飯を終えて、ネクタイを締め、家を出た。
家と呼ぶには小さいアパートだが、家賃もそれ相応だし、何しろ独りだし、ちょうどよかった。
でもあの時のあの事故がなければ…、時々思っても仕方無いことを願ってしまう。
思い出したくないのに。
忘れるって決めたのに。

俯きながら溜め息をついた。

目の端にキラッと光るものを見た。
横の畑の端だ。

足を止めて、そこをよく見る。

ガラスの欠片…。

それをひょいと拾い上げた。
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