Memory
「…先生」
「…ど、どうした字祢」
誰もが私を気味悪がる。
恐怖という感情を宿した瞳で私を見る。
「保健室に行ってもいいですか?」
「あ、あぁ…」
私を化け物だと思う人間は生徒だけじゃない。
教師、大人も例外じゃない。
何を言われても平気…そう思っていても、やっぱり胸が痛い。
その度に私は人なんだと実感する。
だって…化け物に感情はあっても心は無いでしょう?
―ガタンッ
私は紙屑を手に教室を後にした。