Memory
「…本当くだらない…」
本来なら授業中であるこの時間、廊下はこの世界に人なんて存在しないのではないかと思うほど静かだ。
学校になんて来たくない。
ここへ来る度に生きている事が苦しくなる。
ただ…高校に通うのは憐(れん)さんとの約束だから。
―ギイィィ…
屋上の扉を開けて太陽の光をいっぱい浴びる。
私の心とは反対に青空が広がっていた。
―プルルルルル
私は屋上から見える町並みを眺めながら携帯で憐さんに電話をかけた。