嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-

お金の魔力



東京から高速に乗って、
二時間。


車中の窓から広大な大地と
山頂が白く染まった大きな山を眺める。


都内よりも気温が低く、

山の上は雪が降るそうだ。



私は軽井沢にやってきた。



車はたくさんの観光客が歩いている
観光スポットに停まった。


運転していた緒川さんが
私に向かって声をかけた。



「これから
お土産を買うシーンを撮るから、

葵ちゃんの好きなものを買って良いよ」



緒川さんは
財布から一万円札を取り出し、

私の手の平に「はい」と置いた。



「こんなに……ですか??」



「今日は頑張ってもらうから
好きなものを買って良いよ。

弟さんや友達にお土産買ったら。

足りなかったら言ってね!」



目を丸くしている私に
ニコッと笑う緒川さんはいつもと違い、

ジーンズに水色のジャケットと
ラフな格好をしている。


だが、中学生の私でも、
高そうなものを着ているのが分かった。



既にカメラマンと
メイクさんが現地に到着し、

私たちのことを待っていた。


メイクさんは
前回の撮影でお世話になった原田さんだった。


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