空色のビー玉



そんなことを思っているといきなり前の人が慌てだした。



携帯を片手に、「ない」と繰り返し叫ぶ。



も、もしかしてこれのこと?…いや絶対そうだ。



携帯に付けてたのが落ちたんだ、あれは。



「あのー‥これじゃないですか?」



ビー玉のストラップをその人にちらつかせるとその人はそれを大事そうに受け取る。



「どこで見つけた?」



「落ちてました‥あそこに」



そうかーと安心したご様子の彼を見てみると、私は思わず息を呑んだ。



< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop