xxxFORTUNE
あきらめたように、静かな声が響いた。
太陽の光が、目を開けていられないほど眩しかった。
まるで、嫌な未来を見るなと言っているみたいに。
誠を呼び止めて玄関前にたむろしてると、門の外に止まった一台の車。
真っ黒い車から、真っ黒いスーツを着た運転手さんが現れる。
「……お願いですから、止めないでください」
小さくそれだけ言うと、誠は門へと歩き出す。
運転手さんは、誠が近づいてくると深々とお辞儀をしていた。
それから荷物を受け取って、何かを話しているみたい。
やがて、運転手さんが開けたドアから誠が乗り込むと、車は洋館を後にした。
馴染みのない真っ黒い乗り物によって、誠を知らない場所へと連れて行かれた気分。
もう二度と会えない気がして、そんな考えを消そうと首をブンブンと左右に振る。
状況を知りたくても訊けないあたしに、察したように佐久間さんが言った。
「シノちゃんの家、華道の家本なんだって。
だからシノちゃん、お勉強しないといけないの」