或る一人の悲しい男の物語

 それからは覚えていない。私と祖母は何をしたのか。
 『また明日』と言われて私は寝たのか、それとも夜遅くまで話を続けたのか―――どちらにしても過去の話だ。
 過去は変えたくても変えられない。もちろん未来もだ。必ず人には運命と言うしがらみから逃げることなど出来ないのだから―――。
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