×真夏の[変態]恋伝奇×
「清水さん、後ろ!」
えっ、後ろ?
慌てて振り返ると、少し先に立つ木の幹に、カブトムシがとまっているのが見えた。
「か、か、カブトムシ!」
ここからでも大きいのがよくわかる。
あたしは興奮して昆野くんを見た。
昆野くんが頷く。
それから急いで網を手にした。
今度は失敗できない
今度は逃がさない!
二人で網を片手に、ゆっくりと忍び寄る。
カブトムシはそんなことも知らず、呑気に幹にとまっている。
あと少し
あと少し
あと少しだ。