Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜




「…あ、そうだ。」

しばらくの間私の隣にいてくれた棗さんが、ふいに立ち上がって棚をあさり始めた。



「…前に、陽依、俺の海の写真集褒めてくれてたじゃん?アレのシリーズがあるんだけど、貰ってくれない?」

「…え?」

「…これ。どう?…いらないなら、いいんだけど…。」





…もしかして、元気づけようとしてくれてるの?

夕都の部屋での出来事も、泣いていた理由も何にも聞かないまま、こうやって付き合ってくれる棗さん。


自分の情けなさや棗さんの優しさがごちゃ混ぜになって、また涙が零れそうになる。




「…もう泣くなよ。俺、遥季とか拓海みたいに女の扱い慣れてないんだから…。ほら、鼻拭いて。」

写真集を手にした方と別の方の手で、棗さんは困ったようにそう言ってティッシュを持って私の顔に押しつける。




「…う゛〜っ…ごめんなざい…」

棗さんのくれたティッシュで涙と鼻水を拭く。
…もう、我ながらいたせりつくせりじゃんか。





「…ふっ、ぶさいくが余計にぶさいくだ。」

そんな私の姿に、笑いを漏らす棗さん。



「…見ないでくださいよ〜っ!」

上目に棗さんを睨むと、棗さんは今までにないくらい優しく笑っていて、どうしていいか分からなくなって、私はまた俯いた。








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